▼大長編銅鑼えもん のび太のマトリックス
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「銅鑼えも〜ん!」
やれやれ。またのび太君苛められたな。
いい加減漏れも未来に帰りたいヨ。
銅鑼えもんはドアの外から聞こえるのび太の声に
いい加減うんざりしながら読んでいた漫画を閉じた。
「銅鑼えもん!聞いてよ。スネ夫とジャイアンが!」
「わかった、わかった。つーか落ち着け。」
「スネ夫がね新しいパソコンを買ったんだ!」
「人の話聞いてるか?つーか何言ってんの?」
「ひどいんだよ〜うわ〜ん。」
やれやれ。

落ち着いたのび太に話を聞いてみるとこういう次第だ。
「今日の帰り僕のニューマシーンを見に来ない?」
放課後の教室でスネ夫がのび太とジャイアンに声をかけた。
「僕の従兄弟の大学生が自作してくれたんだよ。
 最新構成だぜ。フォトショップなんて一秒で開くよ!」
「おう!見に行くぞ!」
「僕も僕も!」
毎回イヤな思いをするのは分かり切っているのに
なぜそこで見に行くのだろう?バカだからか?
スネ夫の家に着くとスネ夫ご自慢のプラモデルアトリエの
一角にそのマシンは置いてあった。
モニタは液晶17インチと21インチ。
マシン本体はフルタワーケースだ。
見ただけで金がかかっているのがわかる。

「マシン構成はpentium4、1.7GHz
 アスロンも早いらしいけど動画いじるんなら
 ペンチだよね〜。
 メモリは積めるだけ積んで4GB
 HDDはRAID0+1で100GB
 フルSCSIも考えたけど意味がないからやめたよ。
 ビデオカード、キャプチャボードはカノープス。
 Power DVD Producer/DVRex-RT Professionalだからね。
 サウンドカードは無難にSound Blaster Live! Platinum
 ケースはもちろん銅製だよ。」
「何がなんだかわからねぇけどとにかく凄いんだろ?」
「IEEEで僕のジオラマをキャプチャしてね。
 来年はオスカー像を狙うつもりさ!
 もちろんジャイアンも手伝ってよ。」
「おう!任せとけ。」
「ぼ、僕にも手伝わせてよ〜!」
「え〜?のび太に?」
「のび太はやめておけよ。」
「なんで?どうして!?」
「だってのび太はヘマばかりするからな。
 僕の大作を邪魔してほしくないし。」
「そうだそうだ。のび太は帰れ。」



「と言う訳なんだ〜。」
銅鑼えもんはスネ夫の言う事にも一理あると思った。
と言うかスネ夫の意見に賛成だった。
こいつにPCが扱えるわけはないし、
他の事でも役に立ちそうもない。
「銅鑼えも〜んパソコン出してよ〜」
ほらきやがった。ウゼ〜
だいたいこんなやつ教育し直しても無理なんだよ。
以前セワシ君と話し合ったけど
たとえ非合法だとしても
ヒトゲノムいじった方が早いんじゃないだろうか?
ただセワシ君は
「さすがにそれは俺が生まれなくなるかも知れないから。」
と拒んでいたな。関係ねぇよ。
やって見なきゃわかんないジャン。
夜寝ている時にいじっちゃえば良いんだし。
ただ見つかると時間懲役刑だ。
TPが急行してきて遠い昔に放置されてしまう。
持っていける物はナイフ一本。
さすがにきついよな〜。死刑になった方がマダマシ。
しかしロボットに死刑は適用されない。

「ねぇ!聞いてるの!?」
「え?何だっけ?」
「パソコンだよパソコン!出せるの出せないの?」
「あ、そうかそうか。」
「まったくー。耳がないからって
 聞こえないふりしないでよ〜」
コノヤロウ。机の引き出しあけて今すぐタイムホールから
ディラックの海に投げ込んでやろうか?アン?
「ごめんごめん。でもパソコンはないなぁ。」
「え〜?未来のパソコンとかないの?」
「未来ではパソコンなんて使ってないんだよ。」
「へ?」
「みんなPDAを持ってる。
 それに携帯、テレビ何でもついてる。
 だからパソコンなんて使わないんだよ。」
「仕事とかでも?」
「仕事で使うのは端末だけど今のパソコンとは違うな。
 ゴーグルみたいのか対話型かだよ。」
「じゃあゲームもしないの?」
「ゲームもゴーグルタイプだね。」
「それじゃあパソコンは?ないの?ダメなの〜?」



「いや、何とかなりそうだよ。」
「え?ホントに?」
ああ、こいつはホントにウゼェ。
アシモフのロボット三原則なんて未だに守らされてなければ
今すぐにでもこいつぶっ殺して死体を
虚数空間に投げ込みたい。
しかし俺たちロボットには査定って物がある。
人間が閻魔様に裁かれて地獄行きになるように
俺たちも良い事をすればステージがあがって
新しいハードにプログラムを組み込んでもらえる。
うまくいけば中央生体CPUの一部分になって
人間世界を操れるようにだってなる。
普段ごろ寝ばかりしているように見えるけど
電気羊の夢ばかり見ているわけには行かないのだ。
「のび太君貯金はどれぐらいあるの?」
「ええ!?パソコン買うつもり?
 貯金なんて300円しかないよ。
 今月の小遣いは使っちゃったし。」
「300円か。仕方がない僕もへそくりを出そう。」
しょうがねぇな。俺の取って置きのペリカを出すか。
どらやき買おうと思ってたのに。それだけが楽しみなのに。
「2300円。これだけあれば何とかなるかな?」
「え〜?64メモリも買えないよぅ」
「まぁ黙ってついておいで。」
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